コーヒー豆と和食器の店「小蔵屋」を営むお草は、朝の散歩の途中、〈たすけて〉と書かれた一枚のメモを拾う。<br />折しもその日の夕方、紅雲中の女子生徒が行方不明に。<br />その後、家出と判明するが、では助けを求めているのは、いったい誰なのか? 日常に潜む社会のひずみを炙り出しつつ、読む人の背中を押してくれる人気シリーズ第9弾。<br />※この電子書籍は2021年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。<br />