鎌倉河岸捕物控
江戸日本橋にある呉服屋「松坂屋」の隠居・松六は、手代の政次をともなって年始の挨拶まわりに出た。
用を済ませた松六は、政次を連れてひっそりとした小さな佇まいの寺を訪れ、さらに無住の屋敷へ向かった。
すると夕暮れの廃屋に潜んでいた剣客に松六が襲われ、昏倒してしまう。
「あの日から十四年か……」。
襲われる直前政次が聞いた松六の言葉に、かつて幕閣を揺るがせた事件の影を見た金座裏の宗五郎親分は、現在と過去を結ぶ謎の解明に乗り出した。
一方、負傷した松六への責任を感じた政次も、ひとり行動を開始するのだが――。
江戸開闢以来の町・鎌倉河岸を舞台に、若者四人と、よき理解者である金座裏の御用聞き・宗五郎親分が難事件を解決する、’青春捕物グラフィティ’。
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