慈しむ男
1991年、宮崎県の慈育病院で発足した「コウノトリ・ポスト」。
その第1号として預けられたのは、虐待によって全身を切り刻まれた嬰児だった。
二十年後、手厚い看護によって一命を取り留めた彼=飯塚慈男は、『虐待経験者によって虐待を防ぐ会』というNPO法人を主宰し、人を惹きつける知性とカリスマ性によって一躍時の人となる。
しかし、若き理想主義者の仮面の下には、日本中を恐怖に陥れる悪魔的犯罪者としての顔があった。
東京タワー爆破倒壊事件を皮切りに、次々と仕掛けられる無差別殺人事件と自爆テロ。
警視庁刑事部と公安部による捜査の手をかいくぐり、‘悪魔’は X デイへのカウントダウンを開始する。
そんな中、写真週刊誌『フォーカスイン』の嘱託カメラマン・天羽眞理子は慈男と親しくなっていき……。
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