実母亡き後、父親の邸に引き取られた綾子は継母である北の方に蔑まれ、質素な生活を強いられただけではなく、針仕事も押し付けられていた。<br />そんな綾子の心の慰めは箏を弾くことだけ。<br />ある日、その物悲しげな音色に興味をもった藤原貴頼からの文が届き始める。<br />今をときめく左近少将からの文を信じられず、つれない返事を返す綾子だったが、しびれをきらした貴頼は夜這いをかけてきて…!?