出世若殿 田河意周
将軍に成り代わって諮問し、下命する御側御用取次に出世していた田河意周は、ときに老中たちに頭を下げさせ、十二代・徳川家慶の意向を掌中にして、まさに権威の絶頂にいた。
だが、家慶が薨去し、強力な後ろ盾を失ってしまう。
すぐさま世子家祥(のちの十三代・家定)の懐柔策を練る意周。
自分を唯一無二の相談役と思わせることが肝要だったのだが、この動きに危機感を憶える者が意外なところにいた。
これまで出世の後押しをしてくれた筆頭老中・阿部正弘であった。
そしてついに、表向き御用の白書院へ呼び出される。
覚悟を決めた意周を待っていた、その命とは……。
‘出世双六’の上がりを目前に、思いがけぬ運命が待ち受ける好評シリーズ、波乱の第五弾!
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