どうしても就職活動をする気になれず、内定のないまま卒業式を迎えたマヒコ。<br /> 住むところも危うくなりかけたところを、東京の下町にある築100年の銭湯「刻(とき)の湯」に住もうと幼馴染の蝶子に誘われる。<br /> そこにはマヒコに負けず劣らず‘正しい社会’からはみ出した、くせものばかりがいて――。<br /> 「生きていてもいいのだろうか」 「この社会に自分の居場所があるのか」 そんな寄る辺なさを抱きながらも、真摯に生きる人々を描く確かな希望に満ちた傑作青春小説!