就職も決まった短大二回生の秋、篠崎千晴のもとに叔母から奇妙な依頼が舞い込んだ。<br />ずっと存在を知らされていなかった「叔父」に届けものをしてほしい、というものだった。<br />戸惑いながらも、千晴はある箱を持って彼を訪ねるが、その中身は――。<br />出逢いが出逢いを呼び、人との縁が人生を確かなものにしてゆく。<br />孤独な半生を送ってきた千晴が最後に見つけた場所とは……。<br />京都の街が舞台の、涙が頬を伝い、胸が熱くなる再生の物語。<br />