構成作家の卵である「ボク」は明日の見えない闇の中でもがいていた。<br />そんなある夜、ぶらりと入った新宿の小さな居酒屋で、野良猫をかわいがる「夢ちゃん」という女性店員に出会う。<br />客には不愛想だが不思議な優しさを秘めた夢ちゃんに「ボク」はしだいに惹かれていく。<br />ふたりは猫についての秘密を分け合い、大切な約束をするのだが――。<br />生きづらさを抱えた命が伝え合う、名もなき星のような物語。<br />