就職活動がうまくいかず、気落ちしていた奈留美は、「働く人を探している」と聞いて谷中の小さな洋食屋を訪れた。<br />その店「紅らんたん」は、厨房担当の男性と、自分の母よりもかなり年上に見えるのにキリっと若々しい女性とが二人で切り盛りしており、奈留美はアルバイトに入ることに。<br />働き始めてみると、店の客は近くに住むお年寄りがほとんどで──。<br />名物ハヤシライスと美味しいコーヒー、マイペースなお客様たちに癒される、静かな物語。<br />