夕焼けポスト
日没寸前の川沿いに、不思議なポストがあらわれる。
それはあらゆる人間の願いや苦しみを受け止めるポストだった――。
ポストの管理人である「私」は悩みを寄せる人々に返事の手紙を書き続ける、まるでなにかの贖罪のように。
励ます側である「私」こそ、じつは出口のない苦悩にあえぐ傷だらけの人間だったのだ――。
ぎりぎりからの反転、呆然とする耀き。
様々な境遇にいる人たちの手紙によって織りなされるこの物語は、世界12言語に翻訳され感動を呼んだ『あん』の著者のもうひとつの原点である。
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