仕事も恋愛もぱっとしない岡野七子がたどり着いた、住宅街の洋菓子店「月と私」。<br />そこには、お菓子にまつわる魅力的なエッセンスを引き出して、物語としてお客に届ける、「ストーリーテラー」がいた――。<br />さまざまな悩みを抱えてお店を訪れた人たちは、ストーリーテラーの語る物語と、美しいシェフの作る極上のお菓子に心解きほぐされていく。<br />疲れた心に甘くやさしく沁みわたる連作短編集。<br />