婚約者から突然別れを告げられた田中妙は、道端で大泣きしていたところを拾ってくれた菫さんが営む雑貨屋「ビオレタ」で働くことになる。<br /> そこは「棺桶」なる美しい箱を売る、少々風変わりな店。<br /> 何事にも自信を持てなかった妙だが、ビオレタでの出会いを通し、少しずつ変わりはじめる。<br /> 人生を自分の足で歩くことの豊かさをユーモラスに描き出す、心のすきまにしみこむ温かな物語。<br /> 選考委員の満場一致で選ばれた、第四回ポプラ社小説新人賞受賞作。<br />