「風になる瞬間、俺は生きてるんだって感じる」――高校1年の日向は陸上部のエース。<br />その走る姿は、まさに透明な風だった。<br />マネージャーとして応援する幼なじみの柚は、そんな日向へ密かに淡い恋心を抱き続けていた。<br />しかし日向は、ある大切な約束を果たすために全力で走り切った大会後、突然の事故に遭遇し、柚をかばって意識不明になってしまう。<br />日向にとって走ることは生きること。<br />その希望の光を失ったふたりの運命の先に、感涙の奇跡が…。<br />