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劇場版『人妻二重生活』―――二つ目のドア(レジェンド文庫)

――door to door…・ 私って欲張りですか?IT企業の貞淑な社長夫人・恵。
テニスのインストラクターから求婚され、人妻だとは言えなく、夜は銀座のママをしていると嘘をつき続け、二重生活を楽しんでいた。
しかしある日、夫の秘書に二重生活を楽しんでいるところを目撃されてしまい…。
今の生活を離したくない恵が起こした作戦とは…?★冒頭九月になるというのに何故こんなに暑いのだろう、と恵は思った。
もわっとした空気が体を包み込む。
少し歩いただけで汗が出てくる。
恵はハンカチで首筋の汗を拭った。
もう片方の手には買い物袋が下げられている。
汗を拭ったばかりなのに、次から次へと汗が吹き出し頬を伝い地面を落ちていった。
今日は第三金曜日。
夫の陽平と月に一度の約束の日だ。
早く帰って夕飯の支度をしなくちゃいけない。
恵は西日の差し込む新宿を足早に去っていった。
恵は陽平と目黒のマンションに住んでいる。
結婚してから十年の歳月が経った。
陽平はIT企業の社長だ。
家にいることはほとんどないが、恵は不満を感じたことは一度もない。
そんなことを掲示板に書き込んだら苦情が来ちゃうかもしれない。
でも本当にそうなのだ。
お金に困ることはないし、自由な時間も持てている。
恵は束縛されることに抵抗はない方だが、自由にさせてくれるならそれでいい。
ただ、セックスの方は月に一度だけだ。
そう、第三金曜日。
陽平は何事にもキッチリと決めないと嫌なタイプだ。
だから月に一回だけと決めたのかもしれない。
恵はセックスを決まったときにしかしない、ということに疑問を感じるところもあった。
だが陽平にとってはそういうものなのだ。
一緒になった人の考え方にとやかく言うのは無意味なことだ。
結婚するということはそういうことなのだ。
恵はシャワーを浴び終えると陽平のベッドに入り込んだ。
陽平は隣で規則正しい息をして仰向けになっている。
カチッ、カチッ。
時計の針の音がやけに大きく聞こえる。
陽平の体が恵の方へと向いた。
陽平は恵の服をゆっくりと脱がせていく。
いつもそうだ。
動作はゆっくりと、でも的確に。
陽平は服を脱がせると、その手を恵の乳房へと伸ばした…・。
―――続きは本書で。
■目次・一 二つ目のドア・二 愛人・三 ワガママな人・四 思惑・五 誘惑・六 新しい扉■監督 金田敬■主演 夢野まりあ■脚本 箱田森介■ノベライズ著者 なかむらまい




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