時は仁明天皇十五年、気の滅入るような長梅雨が明けた頃。<br />参議に昇任した篁は官衙にて、帝の様子がおかしいという噂を耳にし、異例の接見をを願い出た。<br />帝を毎夜、震撼させている落魄の運命を予感させる悪夢に、「詣でれば必ずや僥倖の夢を見る」と巷間で評判の成願寺が絡んでいることを知る。<br />人の力の及ばぬ夢を操る不埒な影に挑む、野狂の人・篁の国運を賭した凄絶なる戦いとは? 白眉の人気シリーズ堂々完結!