大正八年。<br />新橋で税理事務所を開いた槙は、副業として恋文の代筆も請け負っている。<br />その宛先のほとんどは、新橋界隈の芸姑や女給たちから絶大な人気の倉田組・三代目だった。<br />ある日、槙は暴漢に襲われたところを偶然、倉田に助けられる。<br />今まで何通も恋文を書いてきた相手である倉田を目の前にして、槙はなぜかずっと恋い焦がれていたような気持ちになってしまい…。<br />