娼館育ちの青年・花蔭(カイン)はある日、花街の路地裏で暴漢に囲まれていた美貌の人物を助ける。<br />それはだれもが憧れる薔薇の都の新領主、レイモンド公爵その人であった。<br />レイモンドは助けてくれた礼だと花蔭を薔薇城に招くが、それにはある思惑が秘められていた。<br />美しく傲慢な支配者・レイモンドによって恥辱と快感に絡めとられ、自らに潜んでいた被虐的な官能に気付き始める花蔭。<br />そして花蔭は情欲の果てに「真実」と愛を知る――。<br />