あの日にかえりたい
地震に遭った翌日、少年は、海の匂いのする、見たこともない町に立っていた。
通りかかったオバサンの家で親の迎えを待つ間に体験したのは、少年がこれまでしてみたかったことばかりで……。
(「翔る少年」) 「どんな人生にも必ず分岐点となる瞬間が存在するように思う。
運命的な避けることのできない『あの日』もあれば、ほんの僅かなタイミングの違いでその後が揺らぐ『あのとき』もあるだろう。
そのポイントにかえることができたら。
いくことがかなうなら――。
もしも拙作を手にとって読んでくださる方がいるとするならば、ほんの少しでもいい、その方の『あの日』『あのとき』に対する思いに寄り添えたらと願う」――乾ルカ。
時空を超えた小さな奇跡と一滴の希望を描く感涙の傑作小説集。
第143回直木賞候補作。
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