帰らざる街、小樽よ
東京の下町で居酒屋「北国」を営む合田勝郎。
彼がどこで生まれ、どこで育ったのか、どんな経歴かを、周囲の誰も知らなかった。
その彼のもとに、訳ありげな若い女・水沼江美が転がり込む。
だが食事に誘おうとした日に、突如失踪してしまう。
女も自分と同じ小樽出身であることを男が知った翌日、新小樽新聞の東京支社長・池永実が四谷の支社内で何者かに殺される。
池永は小樽出身の作家・小野寺圭に新聞連載「小樽ストーリー」を依頼し、資料集めに奔走していた。
この作品で、小野寺は、明治時代の政治家で北海道開拓長官を務めた黒田清隆はじめ、小樽の問題点を正面から書くと勢い込んでいた。
ふたつの事件につながりはあるのか? 男はなぜ故郷を追われたのか? 捜査を開始した十津川警部は、事件の真相を探るため小樽に飛ぶが、新聞社の周辺ではさらに不審な動きが……。
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