裁判はどこまで真相に迫れるのか――? 一人息子を育てながら九年間の受験勉強を経て弁護士になった村地佐和子はミスばかり犯し、前途に悲観的になっていた。<br />そんな折りに、タイ人女性と人身売買をめぐる殺人事件が発生し、佐和子は容疑者の弁護を引き受ける。<br />しかし彼女の前には、容疑者である若者の頑なな心など、幾多の難問が立ちはだかっていた……。<br />