御徒の女
江戸後期に武家の娘として生まれた長沼栄津(ながぬま・えつ)は、体の弱い母に代わって家事をこなす日々。
年頃の娘らしく、そばかすが気になれば「都風俗化粧伝」を見てお手入れをしたり、隣家の長男・穣太郎に思いを寄せたり――。
幼馴染からの突然の告白にも振り向かず、兄の言われるままに「よくない噂」のある男のもとへ嫁いたのは、武家の娘としての誇りでもありました。
くちうるさい姑と幼子の世話に暮れ、いよいよ生活の厳しくなった幕末には生活を切り詰め、家族を支える日々を送ります。
貧しいながら、武家の娘としての誇りを守る栄津の人生の幸せとは――。
時代も世代も超えて共感を呼ぶ「女の生きざま」。
「着物始末暦」シリーズの著者が描く、新・人情譚!
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