りり、りり、りり……草雲雀は恋の歌を唄う――。<br />媛野藩の藩士、栗屋清吾は女中のみつと深い仲になるが、妻として娶ることは周囲から認められていない。<br />そんな折、道場仲間の山倉伊八郎から自分の用心棒になるよう頼まれる。<br />伊八郎が藩の筆頭家老になるには清吾の剣の技が必要という。<br />子を持ちたいというみつの願いに応えるため引き受けた清吾を、伊八郎と対立する派閥からの刺客が次々と襲う。<br />秘太刀「磯之波」で迎え撃つが……。<br />