嫁の家出
江戸八丁堀の与力・間壁三左衛門の妻、品(しな)は憂鬱だった。
嫁いで三十年、五十歳を迎え、子育ても一段落。
夫婦水入らずの旅を、と願うが、仕事人間の夫は取り合わない。
そのくせ、体はしきりに求めてくる。
女友達の勧めで、品は夫に‘妾(めかけ)’をあてがい、夜の相手から逃れようと企てるが、夫婦関係はこじれる一方。
我慢の限界を超えた品は、江戸から江の島へ「家出」を決行する----。
人生の〈思秋期〉を迎えた夫婦の、心と体の‘すれちがい’と、妻の‘大胆な決断’をありのままに描いた、新感覚人情時代小説!
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