ぼくとおれ
1972年9月8日。
札幌の同じ病院で生まれた「ぼく」蒲生栄人と「おれ」仁村拓郎。
ふたりは毎日〈スイッチ〉を押し、ちいさな選択を繰り返して、進学、恋愛、就職、結婚と、人生の地図を描いてきたが……。
40歳の男ふたりが辿った交わりそうで交わらない(!?)道筋を、昭和から平成へ移りゆく世相と絡め、巧みな筆致で紡ぎ出す。
山本周五郎賞作家の珠玉作。
(『地図とスイッチ』改題)解説/大森 望「ぼくがイメージするスイッチは鉄道でいうと分岐器だ。
ターンアウトスイッチ。
線路を分岐させ、電車の進む道を選ぶシステム。
つまりスイッチを押すとは、ぼくがどの道筋を進むか決めること。
それを繰り返して、自分だけの地図ができる。
」(本文より)
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