嫁の甲斐性
天保十三年、すずは腕利きの大工・篠吉と祝言を上げた。
二人が出会ったのは、吉原遊廓の大見世、金華楼。
すずは年季明けを迎えた遊女だったのだ。
父親の借金の形で女衒に売られ、八歳で妓楼へ。
禿(かむろ)、新造(しんぞ)から花魁(おいらん)’蝶々’へと上り詰める。
家族との再会が叶わぬまま、二十年の苦界生活を耐え忍び、好いた男と添い遂げるはずが、待っていたのは新たな苦難と借金地獄の日々で……。
元・花魁の数奇な半生に一喜一憂、共感必至。
新鋭が放つ新感覚時代小説、書き下ろし!
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