出勤途上で事故に遭い、目覚めるとそこは伯爵家の客用寝室――医師の桂木智実は大正時代にタイムスリップしてしまった。<br />若き当主、久城文憲はそんな智実を受け入れ、一緒に暮らす七歳の甥、伸吾の家庭教師という仕事まで与えてくれた。<br />ある特殊な『力』を持っているがゆえにずっと孤立し生き方に悩んでいた智実。<br />貴族院議員の久城もまた時代の風に向かい一人で闘っていて…。<br />百年の時を超え二つの魂が寄り添うレトロロマンス。<br />