星見の神子と凪と猫
貧しい漁村から皇都に働きに出てきたが、騙されて傾城街の娼館に売られてしまった少年・凪。
ある嵐の晩、娼館を逃げ出し荒れ狂う大川に愛猫の潮とともに飛び込んだ凪だったが…目覚めるとそこは星見神社。
「お前は夢告げに従って拾われた、星見様の終生のつがい」――亞星という老婆からそう告げられ、命だけは助けられたものの神社の奥御殿に軟禁され、‘つがいの務め’を果たさねばならなくなった。
星見様――銀の髪と碧い双眸をもつ類稀な美貌の青年、祁答院柊星はその夢見と卜占の能力から皇国の権力者たちに重用され代々守られてきた一家の当主で、だがそれゆえに外に出ることも叶わず奥御殿でたった一人生きてきた。
どんな逆境にあっても前向きで明るい凪はそんな孤独な柊星に寄り添い、閉ざされた心を少しずつ溶かしていくのだったが…。
その頃、皇国の権力者たちは隣国へ攻め入る準備を進めていて…。
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