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壮太と私

猫のあずきは十七年前、小学生だった壮太に公園で拾われ、以来ずっと一緒に暮らしている。
そんな壮太ももう二十七歳の会社員。
あずきだけが唯一心を許せる『女』…と言って憚らない。
でも、あずきがちょっと心配なのは、ゲイである壮太が頻繁に男を部屋に連れ込んでは関係を持っていること。
そして壮太がそんなふうになった原因が、高校時代、幼馴染みであった同級生、剛と激しい恋に落ちて失恋した過去にあること。
十年以上経った今でも壮太がこの恋を引きずっているのを、間近で見てきたあずきは知っていて常に心を痛めていた。
ある晩、壮太はひどく酔っぱらって会社の後輩、大誠に家まで送ってもらう。
驚いたことに大誠は猫と会話ができる男だった。
笑顔が温かく頼りがいのあるクマさんみたいな大誠――理由をつけては足しげく壮太の部屋を訪れる彼は、密かに壮太に思いを寄せていて…。




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