星影のセレナーデ (一)青嵐の巻
赤嶺洋は果物店主の好意で間借りさせてもらい、縁あって向かいに住む市場の和菓子屋の息子の家庭教師をした。
息子には美貌の義姉香田暁子がいた。
彼女は満州生まれで母親の消息も知らず実父はヤクザで交流はなかった。
実父と養父は幼馴染の関係だった。
しかも果物店にはそのヤクザの息子松村順平が店員でいた。
順平と暁子は義姉と義弟で交流もなく、そんな複雑な事情の中で家庭教師をした。
大学では左翼系学生の佐々大介やノンポリの川野妙子と親交したが、暁子とも親しくなった。
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