「坊主頭が鉛のように重い」統合失調症を患った伊知郎は、デイケア施設で無為に過ぎていく時間に絶望していた。<br />そんなとき、社会復帰をめざす希望として、障害者技能競技大会、通称「アビリンピック」の存在を知る。<br />伊知郎は病気を馬鹿にする弟の弐郎や父に、「お前のような奴が大会に出ても意味が無い」と罵倒されながらも、すがるようにしてプログラミングを学び、地区大会へ出場する。<br />この日を境に、伊知郎の人生は前進するはずだったのだが……。<br />