あらざらん此の世の外の思ひ出に今ひとたびの逢ふこともがな――。<br />運命的に出逢い、魅かれ、かりそめでない慕情を胸に秘めつつ、左翼運動に破れ投獄、そのひとの結婚、徴兵……うち続く転変の波にさいなまれながらも、ただひたすらそのひとの面影を抱き続け、ついに再会の街頭に立った『私』の瞳に映じるそのひとの姿は……。<br />美しくもはかない至高の恋愛小説の決定版。<br />(※本書は2005/1/1に発売し、2022/4/13に電子化をいたしました)