学者・西島健一は、〈『源氏物語』成立の謎〉という論文を発表したために源氏学会を追われた。<br />十年を経て、短期大学非常勤講師の西島のもとに、週刊誌の「『源氏物語』の謎」の企画が持ち込まれる。<br />友人からは「源氏物語」ゆかりの寺から出た古文書の鑑定を依頼されるが、その矢先、友人一家は惨殺され、古文書は何者かに持ち去られた。<br />源氏物語の謎と古文書の行方を追う西島に、「もののけのち」の影が忍び寄る。<br />