『卒業までの該当授業追放処分』が下され、その講義の間、私の存在は完全に『抹消』された。<br />自分の卒業式のはずなのに、まるで他人の卒業式に出席したかのような感覚。<br />最後に卒業生数十名が代表して歌った『翼をください』を聞いた時、私はようやく悟った。<br /> (……私は飛び立つことはできない)と――。<br />アマチュア小説家バハームの苦悩に満ちた青春の物語。<br />