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見えないものたちの踊り

ローマの、ごくごく普通の市井のひとたち。
その一癖も二癖もある、バラエティーに富んだたくさんの登場人物を、磨き抜かれた言葉で削ぎ落として描かれたショート・ショートのような短いストーリー。
原題’IL BALLO DEGLI INVISIBILI’(直訳は『見えないものの踊り』)としてイタリアでは2007年に発売された本作は、ノーベル賞作家の名を冠した文学賞デレッダ賞を翌年に受賞した小説集です。
(「監修者あとがき」より)僕が(あとがきで今さら言われても、という声も承知で)あえて提案したいのは、これら物語の「服用」を、一日最大一話にとどめることである。
速読や斜め読みなんてもってのほか。
スローに行こう。
いくら気に入った話があっても次に期待して先を急がず、読み終えた内容を頭の中に入れたまま一日を過ごしてみてほしい。
あるいは夜を越えてみてほしい。
そのストーリーの成分がじんわりと浸透するかもしれないし、しないかもしれない。
物語というものが僕たちの心の薬だとして、それが効く効かない、合う合わないは別として、一度に過剰摂取するのはよろしくないのではなかろうか。
そんな調子で、この本をぜひ長めにそばに置いてみてほしい。




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