たったひとりの読者
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小説に私小説というのがあります。
詩にも私詩集というのがあっていいと思いました。
想像ではなく、自叙伝ともいうべき事実だけに基づいた詩があってもいいと思いました。
少年の頃の体験は、言葉の美しさを借りなくても、じゅうぶん美しいからです。
詩の題材というのは、特殊なところにあるのではなく、実は身の回りのすぐそこにもあるということを忘れたくありません。
いくらカッコいいことばを使っても、あるいは美辞麗句を並べても、詩の中身がよくなければ、けっして人に感動を与えるものではないと、ぼくは確信しています。
子供の少ないボキャブラリーの詩でも、とても大きな感動を受けます。
言葉は生まれては死んでいく生き物です。
骨董的な古い言葉を探し出して詩を書くのは嫌いです。
少年達がいま使っている言葉で詩を書きたい。
いつもそう思います。
―あとがきより抜粋―
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