ハンカチの木
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中学生のころ、わたしは大人がふしぎでした。
生きていると傷つくことがたくさんあるのに、どうして平気で四十歳、五十歳と生きていられるのだろう。
わたしはそんな年まで生きていられるだろうか。
と、不安でいっぱいでした。
七十、八十と生きた人なんか、そのことだけでもう、たいへんなことなんだと、敬意すら持ちました。
暮らしに困ったらどうしよう、とも思いました。
そうだ、そのときは教会やお寺の前でぶっ倒れていればいいんだ。
教会やお寺だもの、きっとなにか食べさせてくれるだろう。
そしたら何日か生きられる―。
そこでほっとして、眠ることができるのでした。
いつのまにか、そんな年までと思った年まで、生きてきてしまいました。
さらに、もっと生きそうです。
はだかのこころの、さまざまを、この詩集におさめました。
共感していただけたら、どんなにどんなに嬉しいでしょう。
―あとがきより抜粋―
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