海を越えた蝶
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こどもの澄んだ眼のおくには、ひろい空と海がある。
うつくしい雲と花がある―そんなふうに思っていた。
また私の記憶の中には、こどものころ見た何枚もの本の頁が仕舞われていて、どうかするとあざやかに、ひらりとこころによみがえることがあった。
その頁には詩と挿絵があって、なつかしい抒情のせかいが展けていた。
そうした記憶の頁からよみがえってくるような詩を、こどもの眼と耳に立ち還って書くことができないだろうかと、いつの頃からか念うようになっていた。
つまりひそかな志しをも抱いてみたことになる。
しかし一向、何もできず、何もせず時だけが流れ去っていたことに今更のように気付くのだ。
―それにしても、ひそかな志しを捨てたことはなかったように思う。
―あとがきより抜粋―
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