東亰ですとぴあ ?終わらぬ昭和のあやかし奇譚?
日本皇国首都・東亰府――昭和89年夏。
石炭資源によって発生した産業革命は瞬く間に世界中に広がったものの、石油燃料の効果的な活用も原子力開発も出来なかった、まったく別の世界。
石炭資源の枯渇から文明は停滞し、文化は妖を闇から駆逐できないまま現代に繋がり、世界は終わりに向かってゆっくりと進みはじめていた。
東亰府が血に染まり崩壊する神託を受けた斎都宮――神の姫巫女である香具夜は、その理由を突き止めようとした矢先に暗殺者が放った妖に襲われ、摩天楼から転落する。
香具夜が空から落ちてくるのを目撃した下町のなんでも屋の少年・久坂草平は、相棒の妖狐である尾裂き狐の六本木と共に彼女を助け、彼女の護衛兼案内役の仕事を得る。
崩壊しつつある世界の状況を目の当たりにする二人は、崩壊の実感と共にその裏に隠されて進行しつつあるひとつの計画を突き止めるのだが――。
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