東日本大震災 陸上自衛官としての138日間の記録
本書は、東日本大震災当時、陸上自衛官として139 日間、災害派遣任務に従事した私の経験を時系列にまとめたものである。
ただし、内容は、単に自衛隊の行動を記しただけではない。
使命感に溢れる行政機関の方々、自らも被災しながら災害復旧に携わる民間企業の方々、親身なボランティアの方々の行動を可能な限り克明に記述するとともに、被災された方々の行動・心情・証言を織り交ぜ、災害の状況を、読者の方々にあらゆる方向から感じていただくように努めた。
また、自衛隊の行動においては、私が震災当時、普通科連隊第3 科長という作戦の実務責任者であったこともあり、「なぜ、自衛隊があのように行動したのか」という根拠までを記述し、行政機関の方、会社経営の方の今後の防災・減災対策の参考になるよう工夫した。
災害に遭遇された方々が口にすることは、「私が、このような災害に遭うとは思わなかった」である。
決して、私は、その方々が特別だとは思わない。
私を含め、皆がそうである。
平穏な生活の中、突然の自然の猛威により、災害に遭い、その脅威を初めて知るのである。
私は、読者の方に、本書により「災害とは何か」を体感していただくとともに、明日起こるかもしれない災害対処の糧にしていただくことを希望するものである。
(「はじめに」より)
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