「香港」では、生きのびるためには考えることよりも逃げ足の速いことがまず第一、というヤミ屋や密輸人たちの明日を怖れぬしたたかな生き方をきざみつける人生を、――「濁水渓」では、けわしい戦後台湾の動乱渦中に帰国した学生の生き方を問う。<br /> 永遠に流浪する青春の二記念碑。<br />