春夏秋冬、人の営みをよそに季節は巡りつづける。<br />目の前を流れていく時の移ろいを、わずかな言葉で瑞々しく描き出すのが、俳句であり、短歌である。<br />現代の句歌は、日常に紛れて見落としがちな事々に生命をあたえ、古人の言葉は今なおかわらぬ心の機微をにじませる。<br />本書で著者は、平生の景色を鮮やかに切り取った古今の俳句や短歌を紹介する。<br />読売新聞連載コラム「四季」の二〇一二年四月から一年分を採録。<br />