長屋を焼かれたうえ、虚無僧姿の武士に襲われている男を危機一髪のところで助けた植松頼助。<br />男は板木の彫り師で、神書――天皇を崇める「日本書紀」や「神皇正統記」を密かに彫っていたのだ。<br />襲撃した武士は、神書の頒布に目を光らせる幕府からの刺客であった! 朝幕の争いに身を投じる植松頼助、最後の事件簿!