高橋泥舟は、勝海舟・山岡鉄舟と共に幕末の三舟の一人として名高い。<br />しかし、幕府崩壊後、彼は海舟や鉄舟のように明治政府に出仕することを潔しとせず、旧主徳川慶喜との誓いをまもり、終生世に出ることはなかった。<br />徳川家に殉じ、赤貧に甘んじながらも清廉に生きた、一武人と江戸市井人への鎮魂の書。<br />