東京・神楽坂で料亭の女将を務める日名子のもとに、北陸から届いたクラス会通知。<br />高校三年生の夏から冬にかけ、同級生の篤子、その弟の渓真と、山寺で共同生活を送った甘酸っぱい記憶が蘇る。<br />三人は同じように親との確執を抱えた「同志」でもあった。<br />だが、四十二年ぶりに訪れた北陸で日名子を待っていたのは、残酷な時の流れと、記憶の中に封印していた「苦い真実」との対面だった……。<br />鮮烈な余韻を残す、第一回室生犀星文学賞受賞作、電子書籍オリジナルで登場。<br />