日露戦争の激戦から瀕死の重傷を負いながら生還した一将兵による実戦記。<br />戦場の有様と兵士たちの心情を描いた本作品は世界的に評価され、各国で翻訳された。<br />だが、ここから生まれた「肉弾」という造語はやがて精神主義の標語として悲惨な戦争に迎えられていく。<br />稀代の問題作を、百余年を経て新字新仮名にて初文庫化、初電子書籍化した。<br /> 〈解説〉長山靖生