荻原亮子は恋人の安東匠とともに彼の実家を訪れた。<br />その旧家は二つの棟で卍形を構成する異形の館。<br />住人も老婆を頂点とした二つの家族に分かれ、微妙な関係を保っていた。<br />匠はこの家との訣別を宣言するために戻ってきたのだが、次々に怪死事件が起こり……。<br />謎にみちた邸がおこす惨劇は、思いがけない展開をみせる!著者のデビュー作。<br />