鬼神
山中で育ち、熊をも仕留める大力を持つ坂田公時。
彼は武門の頭領・源頼光に従い、武人として都へ上る。
身分の境に塗れた都に戸惑う公時は、夜な夜な現れる鬼の噂を耳にする。
一方、神の棲まう山・大江山では、人々がしきたりに囚われず自由に暮らしていた。
しかし、山を訪れた不審な男を追い払った日から、食糧たる獣たちが姿を消す。
頭目の朱天は、民たちの命を守るため、都で盗みを働く決断を下す。
公時と朱天。
都と山。
人と鬼――。
交わるはずのない二つの思いが交錯するとき、歴史を揺るがす戦が巻き起こる! 平安史に突如現れる「酒呑童子伝説」の謎。
その実像は、生きる権利をかけた人と人との戦争であった。
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