時は七世紀末。<br />先の大王から疎まれ、不遇の時を過ごした藤原不比等。<br />彼の胸には、畏しき野望が秘められていた。<br />それは、「日本書紀」という名の神話を創り上げ、天皇を神にすること。<br />そして自らも神となることで、藤原家に永遠の繁栄をもたらすことであった。<br />万世一系、天孫降臨、聖徳太子――すべてはこの男がつくり出した。<br />古代史に隠された闇を抉り出す、著者初の歴史小説にして会心作!