ケータリング業者の水島健一は何事にも無気力な四十四歳。<br />病死に見せかけ楽に死ねる「薬」の都市伝説に翻弄される人々を横目に、手抜き調理で依頼をこなす日々だ。<br />しかし、ある生意気な少年・英樹との出会いが健一の料理を変えていく。<br />それと同時に「薬」の噂とも向き合うようになるが……。<br />真摯に生きることを拒んできた大人と、生死をまっすぐに見つめる少年の交流が胸をうつ感動長篇。<br />