ある日、デイケア先で喚きはじめた母は、気付かぬうちに認知症を発症していた。<br />息子は、介護のために毎日、実家へ通い、一語一語逃さぬよう、母の「妄想」を聞き取り始めた……。<br />生きることのおかしみやユーモアが全編に溢れる、新しい‘介護小説’。<br />母との別れを描く最終章「母の死」を文庫書き下ろしで収録。<br />